【 こんな症例が治ります シリーズ 241 】 低蛋白血症を併発した急性膵炎 も 的確な治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/RX2zQd

 

 

犬 8歳 オス ( 去勢手術未実施 ) です。

 

【 急に元気食欲が無くなり、嘔吐もある 】というワンちゃんです。

 

■ 来院時、ぐったりした様子はないものの、血液検査を実施すると血中の蛋白濃度も低い状態となっていました。

 

■ 全身精査として画像診断も実施したところ、急性膵炎が疑わしい状態ですが、これだけでは低蛋白血症の原因の特定は出来ませんでした。

 

 

■ 低蛋白血症の原因にはいくつかの病気が考えられますが、最も多いのが消化管から蛋白が漏れ出してしまう病気です。 この時点では、胃腸を調べる内視鏡のための麻酔がかけられる状態ではなかった為、確定診断は出来ませんでしたが、血栓傾向も出てきていたことから、輸血も実施する事としました。

( 蛋白が漏れ出るような疾患の場合、体内の血栓を予防するような物質も一緒に漏れ出してしまう為、血栓が起こりやすくなります。 )

 

■ 輸血後、数日間点滴を流しながら全身循環を改善してあげると、少しずつご飯も食べてくれるようになり、一週間後にはいつも通りの元気を取り戻してくれました。

 

 

■ 重症な症例の場合、必ずしも病気は一つとは限らない為、病気の全体像を常に診ていくことが必要になります。 まさに、『 木を見て森を見ず 』ではダメなのだと実感した症例でした。

 

獣医師 桃崎 昂

 

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